秋の厚別で柏戦 というと、J1での辛い思い出が蘇る。2008年は降格が決まった試合だったし、2012年は降格間近な頃の試合だったし。だから今年の柏戦は、それまでと違えてみようとなって客ではなくCVSで入った。自分CVSに入る時は結構敗戦率低いし。と思ったけど、たぶんこの4年ぐらいホームの敗戦率って結構低いんじゃないかと思う。ここ2年だけではなくて。

なにはともあれ、ほんの小さなジンクスでも勝利に向けたいと思ったので。
思ったけど、今季リーグ戦では2試合しかやってない厚別の運営の勝手の違いに地獄を見ました。
ドームと比べると出入り口が広すぎるからか、チケット提示しないでスルーされる方が結構いやたくさんおられましてね。これはなかなか厳しかったです。先を急ぐ気持ちはわかりますが、皆様何卒ご協力を。好きでやってるボランティアですが、同じ仲間であるはずのサポーターにモヤモヤしてしまうのは決して楽しいことではないです。まあ今回私も盛大にやらかしたので大声では言えないですが…

という小言めいた事は序盤でおしまい。
とにかくそんなわけでとても忙しくて、また試合もまったく見えないポジションだったので、3-0という望外のスコアで完勝出来たことはもちろんとても嬉しかったけど、何しろ試合も見えなければ応援の声も風向きのせいなのか構造上の問題か柏の声しか聞こえなくて、柏の怒号炸裂しているのを(´ω`)な顔で聞いてはいたけど、いまひとつ現実的にピンとこないまま祝勝会に出かけて試合を振り返る事もなく、翌日ようやく落ち着いて録画を見たわけです。

試合が終わってからサポーターの友人たちの投稿を見ると、皆の感慨深げな気持ちが溢れていて。
その感慨深さを私は、24時間ぐらい遅れて録画を見てから味わうことになりました。
なんというか本当に言葉にし難い感情がありました。今もあまり言葉にできていません。
心の底から嬉しいとか、泣けるとかそういうのとはまたかなり違って。そもそもまだ残留をしたわけではないから道半ば。なんだけど。

何度も昇降格を繰り返して、しかも昇格後の戦い方に至っては直近の2回の昇格後ではダントツ最下位ぶっちぎり。しかも負け方も壮絶。当時の自分のブログ記事を読み返したら地獄だった。

去年の今頃は昇格を語っていたけれど、「上がったらまたあんな風に負けるんじゃないか」という怖さはずっとついて回ってた。「だから上がりたくない」って声だってないわけじゃなかった。
大丈夫一度やってるから負けても怖くない!と笑っていたけど、あの頃トラウマレベルの悔しさを味わってきたんだって事がかえって気持ちの中で浮き彫りになって。

降格争いすらすることが出来ずにいたから、降格争いをすることが最初の小さな目標だった。
降格争いをしたこともないのにいきなり残留とか目標高すぎだろってもっともらしく、でも傷つく事が結局怖くて、笑い事にしながら目標を小さくしてた。

昇格して上でやれるという楽しみと、また惨敗するかもしれないという恐怖と。
相反する感情を抱えて早10年。それが当たり前になってたから気づかないでいた。


試合後に読んだしゅんちゃまのツイートがいやほんとそれなって思って。
悔しい事や悲しい事を、必死に前を向くために封印してたようなもので。
笑い事にして緩和させてただけで。

でももうコレ、解放しちゃってもいいんだなあ って試合の録画見て思った。すごく思った。
そのぐらい今までと違うもの見てるって感じあった。柏は決して弱くはなかった。でも勝ったのは札幌。J2でならこんな展開はよくあったけど、J1の舞台でもこんな感じを味わえる日が来るなんて って。


残留争いについては門別競馬場でのトークショーで、社長はサポーターからの質問に「最終節まで行くよ!そんな楽じゃないよ!」と、「なるべく早く決まってほしい」というファンの期待を悲鳴に変えてた。ここでトップが1ミリも楽観していない というのは選手やスタッフにとっては心強いんじゃないのかなあって思った。トップが楽観してたら現場つらいもんね。

合わせて、タクシーの運転手さんが「コンサドーレ頑張ってるね」って声をかけてくれた話をしてた。コンサドーレにとって「残留を争えること」が「頑張っている」になる、その認識が大事だって。優勝争いをしないからカス とかそういう認識じゃない事が。言われてみれば確かにウチの親も「今年は頑張っているねえ」って言ってくる。残留争いをすることがこのチームにとってどれだけの進歩か、わかってる道民は決して少なくないと、思う…。

2017年は「降格争いをしたい」という夢をまずは過去形にすることがここまでで出来ました。残り5試合。
ノノの言う通り多分楽じゃないけど、ここから先は札幌にとってはひとつの大事なタイトルを奪取するぐらいの気持ちで行きましょうか。Jリーグの解説者陣や他サポには全く分からなくても、私達にはそれがとても大きなタイトルだってわかっているしね。

降格という恐怖と戦うのではなくて、残留という未来に向かって戦ってるんだってこの時期に言えるのは、札幌にとって幸福なんだなぁ。


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