昨日CVSで入っていたので、最終戦のセレモニーはチラ見か場内の音だけを聞いている感じだった。
サンクスウォークの最後に宮澤キャプテンのお話があって、続いて四方田監督と呼ばれた時に聞こえてきた拍手の音は、それはそれは優しく長く降り注ぐ慈雨のようだった。いわば「ただの拍手」にこんな人の感情が溢れるものなのか、と正直驚いた。よもちゃんあってこそのこのシーズンだったという、言葉はなくてもそのことが多分ほぼ誰にでも伝わるような、雄弁な拍手だった。

長くこのチームを応援してきて、チームを去っていく選手達への小さな痛みこそもちろんありつつも、これほど穏やかなシーズンエンドはあまり記憶にない。

16年ぶりに残留出来たということもあったし、それに相応しいかそれ以上の戦いを選手達が見せてくれたこともあったし、最終戦直前に監督が代わる事を報道で知って、気になっていた四方田さんの去就も本人の言葉で明らかになって、大団円以外の言葉が見当たらない。

公私ともにチームに関わっている部分からすると、諸手を挙げて素晴らしいと言えるわけではないことは知っている。何このやり方、と納得のいかない部分は今もある。それを以てしても、多くの人たちが笑顔で終わることの出来たシーズンを否定出来る重篤な要素にはならない。ことサッカーの部分に関しては我々素人よりもはるかにちゃんと考えているとも思うし。他は適当に腐すけどw

それほどまでに「誇りを取り戻す」ことが出来た事は重かったんだなって今思った。
昇格したと思ったらお金がないとか言われて、上がったと思ったらすぐに落ちて、その繰り返し。
日ハムが出来てからは報道の扱いがすっかり野球に向かってしまった。
彼等が日本一を歌うころ、絶望的な負け方をしたことだってある。
そこで幾らサッカーの世界的価値を謳われても、それをそのまま鵜呑みにするほどおめでたくはなれない。
と、思っていたけれども。

ジェイがインスタで書いていた言葉が昨日ドームで蘇った。



褒めすぎじゃないかと最初思ったけど、考えてみれば彼はサッカー大国のひとつと言えるイングランドの元代表選手。もっと出来るクラブじゃないかとは、思えばこれまで幾人もの人が言ってた。今まではとてもそれに乗れる気分でも実績でもなかったけど、決してギリギリではない残留を果たしたどころか11位で終わって、改めてクラブの価値を見直してみようと思った。

スポンサー企業の立派なブース、2万人以上入ったスタジアム、チームカラーに染まったスタジアム、そして会場に足を運んでいるのは日本人だけじゃなく、東南アジア系のお客さんの団体がユニフォームに身を包んで楽しそうに自撮りしてる。東南アジアだけでなく色んな国の人達がドームでのサッカーを楽しんでいる。それはどうしてなんだろう。スター選手がいるから?スタジアムの雰囲気?珍しいドーム?全部?

たった1回残留出来たぐらいでそんなに調子には乗れないし、来年はより上を目指すとは言いつつも現実的には残留争いも当然覚悟して向かう。それでも今季、6連敗しても大きく動じなかったこと、残留という目標に一丸となって取り組んで達成できたこと、失っていた誇りを取り戻せたこと、そしてあの雨のような拍手。集まる大勢の人達。それが本当に世界に誇れるものなのかどうか、否、世界に誇れるものに出来るかどうか。2018年のテーマ決定。

終わった途端に始まってしまったわ。
もっといいクラブに出来たらいいなと思いつつ、2017日本で一番幸せな中位クラブだと今日は書けるわ。

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