F-L-H

Football Lover's Heart. コンサドーレ+時々冬スポーツ+まれに日記。背景画像は窓についた霜。

タグ:仙台

今年のFaOIが仙台開催と発表があった途端「よっしゃ船で行くぞ」と意気揚々に就航予定を見ると、31日(金)の仙台行きは1月に就航したばかりのニューきたかみじゃあないですか!
これは絶対早割で女性専用エコノミーシングル確保しないと!!ということで予約開始日時にチケット参戦レベルで確保。予約後すぐに残り1席となっていたので、どうやらそもそも用意があまり多くないようです。
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で遠征当日、期待に満ち満ちて乗船する。
エコノミーシングルのお部屋はこんな感じに中が分かれています。個々に鍵つき。
カプセルホテルよりも広いと思う。
部屋の中にはテレビとテーブル、電源があるので引きこもってダラダラ出来ます。

ただ携帯が出発前からいきなり圏外になったwので、要船内Wi-Fi契約でした(24時間980円)。
速度は出ないけど通常圏外になる洋上でも繋がるので便利でした。
普段の船旅は携帯圏外になればそれでも別にいいや と圏外ライフを楽しみますが、今回は仙台初日の様子を知りたかったので。

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部屋内部

船旅は時間こそかかるけど旅情を誘いますよね…あと安いし。
ネット限定の早割を使うと(繁忙期以外は)半額で行けてしまうから、今回のこのお部屋で苫小牧仙台間が6,200円(一番安い席だと4千円台)。帰りの飛行機も早割で買ったので、チケット代よりもかろうじて交通費が高いという現象が起きました。S席だったら往復の交通費<チケット代だった。

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エントランス。左側に見えるのは売店。

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バイキング形式の朝ごはん(千円)

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海よ~ 俺の海よ~

19時に苫小牧を出て翌朝10時に仙台港到着。
そこから路線バスで仙台駅まで移動して先乗りしていたお友達らと合流。
隣の宮スタには11年前に仙台アウェイで行った事がありましたが、グランディの方はお初。

余談ですが「こんなところにワールドカップのスタジアム作るの…?」とスタジアムができる前に素朴に疑問に思いながら通り過ぎたこともあります。特に自慢にはなりません。

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右手奥に映っている仮設トイレは途方に暮れるレベルで人が並んでいた

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「柴犬?」と呼ばれていたマサル

会場の外にはスポンサーさんの各種売店が出ていて、アイスショーというよりフェス感満載の利府。爽やかなお天気と相まってとても楽しげでした。
場内はスタンドに程よい傾斜があって、会場そのもののサイズも手頃でA席でも大満足の視界。これはええで。もっとも会場に着く頃に突然の体調不良に見舞われて余裕がなかったのが心残り。。

去年はCWWへ行ったのでFaOIはお休み。ということで個人的に2年ぶりのFaOIでしたが、毎回チケット代払う前は「慣れたとはいえやはり高いな…」と思うんだけど、見終わったあとは「これのどこが高いのか」「むしろ倍額請求されても文句言えないし喜んで払う」となるから恐ろしい。現役選手もプロ選手もみんな夫々の色を確実に出していてそれを堪能させて頂けるお値段以上のアイスショー。

前半部分では、俺のさとこが今季のFSを初披露…!
ジャッジ反対側になる西側で見ていたのでアピールポイントは反対だろうな…この距離では表情までははっきりわからないし…と思っても…全身の動きが物語を物語る…!←日本語としてひどい
前半スケーターでランビ様とかプル様とか色々心奪われるんですけど、さとこシンドラーが私の前半大賞すぎて他の記憶が残っていない…!!

思えばTHE ICEイン真駒内のときに、Fire Dance初披露で「これはいいかも」と思ったとき以来の「事前情報なしの新プロ披露立ち会い」だった訳ですが、あのとき以上の衝撃…。今季はテレビで見て全力で号泣している自分が容易に想像できます。
そんなのは私だけかと思ったら、会う人会う人「さとこシンドラーやばい」だったのでよかったです。

記憶の断片をほじくり返すと、メドちゃんの北米感あふれるEXプロはテレビで見ている分には個人的にそれほど反応出来なかったのだけど、現地で見ると「メドちゃん自由にやってるなあ」って思えて印象が真逆になりました。旅に出るときにツルポリちゃんの引退が明らかになって、コンペスケーターとして現役を続ける事自体が簡単ではない業界、特にロシアで「あたしはあたしで自由にやる」と感じさせる選手がいるのは、なんというか見ている側として(というか「できる限り長く現役を見たい」と思う応援目線として)ありがたいことだなあと思います。リーザ然り。

そして後半はなんか秒で終わった。
フラメンコオンアイスやばくない?これだけでチケット代安すぎじゃない?
ナハロさん素敵すぎてやばい?ナハロさんに比べるとハビ見習い感があるけど、ここからブラッシュアップして地元凱旋するんだろうなと思うとそれちょっと日本でも放送してってなります。

カペラノ月の光やばくない?月光じゃない?何あれ?
織田くんなんで年々グレードアップしてるの?末延さんの攻撃的なバイオリン超かっこいい。
紀平さんは現在の女子世界トップの一人だと痛感させられる切れ味。あーやっぱきひらさん上手いわ早いわ~って純粋に感心させられた。彼女の演技は美しい数式系、コンマ単位を精密に合わせているようなイメージがある。というか浜田組におしなべてそういう印象を受けます。さとこは「きちんとしている」で、きひらさんは「精密」。

そして幕張から話題だったtoshlさんの歌。
2日目はコールアンドレスポンスで本当に場内を存分に盛り上げてくださり、アイスショーとは思えないノリになって、羽生くん荒川さんの地元凱旋に相応しいものになったのではないでしょうか(このせいもあってか、FaOIというよりもむしろCWWに雰囲気が近いショーになった気がしている)。そしてそれよりもなによりも 歌 が う ま い うまいよ…ランビI LOVE YOUやばいよ…でしたが、一番やばいのはtoshl×羽生だったという結論。

この日は白のクリスタルメモリーズでした。
幕張の映像はテレビで見たけど、それよりも演技全体に少し重厚感が増していたような。所作のひとつひとつにタメがある、とでもいいましょうか。
といっても滑り出した途端、衣装がきらきらと輝いて、「これは…文字通りクリスタル…君の演技が見ている私達のクリスタルなメモリーズになるんだ…」という残念な口説き文句みたいな言葉がいきなり脳内に溢れて若干途方に暮れる。

それでいて演技終盤で突然鼻がツンと来る。
Don't think,feelとはこのことを言うのでしょうか、考える前に自分の感覚の何かが感じてしまったようで鼻と涙腺を直撃。
演技を見ながら嗚咽を漏らすわけにはいかなかったので堪えましたが。
そこから冷静になって思うのは、多分自分が最初に羽生くんの演技を生で見た、2012MOIの「花になれ」、あの時と同じ感覚を呼び起こされたからなのかなと。

演技と音楽、歌詞と歌唱と選手の演技、耳で聞いているものと目から入ってくるものがきれいに融合して、ただただ美しいものを見た気持ち、考えるより先に感じさせる、「音楽の権化」としての羽生を改めて見た思いがしたから、なのかもしれません。

美しい音楽を伴った光の軌跡が、緩やかに優しく柔らかく目の前を幾度も通り過ぎていく。でも決して弱々しいものではなくて、いのちの強さに溢れている。
彼を希望の光だとする地元の方の発言を見かけたけど、心象として光のような存在が、光そのものとなっているような演技。
あのとき私(達)は、文字通り「光」をそこで見たような気がするのです。
その日の夕空が綺麗で、七北田川が夕映えでオレンジ色になっているのを見て「綺麗だー」と言いながら帰ってきたけど、あの空を見ているときの「綺麗だ」と同じ類の、言葉を必要としない感情が羽生くんの演技を見たときにはよく感じます。

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突然の刺盛り

言葉にならないからといって言葉にしないと残らないんだよ!文字にするんだよ!とスポ根マインドでポエムを書きましたが、ここからは酒です。試合…じゃないショーのあとの宴。「EDがボートレース」「Toshlの歌がやばい」「Toshl落ちある」「しかしランビはいつも素晴らしい」「向上しつづける織田信成」「クリスタルメーモリー(斉唱)」「Toshlの歌が」「昨日のマスカレイドが」「酒うまい」「刺身うまい」「クリスタルメーモリー(Rep)」
知能レベルは利府にすべて埋めてきました。


明けて日曜日は帰るだけ日程。
利府からだとどうやっても最終便には間に合わないな、ということで潔く1公演のみ。悔いはない。
ホテルを出るときにFaOIテーシャツを来たご家族?にお会いしたので「お互いよい観光を」みたいに言葉を交わして別れる。

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そしてまあ行くよね

ここでも並んでいる人達と撮影補助などしあって世間話。
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並んで記念撮影をしたい方々の長蛇の列
ショーの時間の前に、と考えた方々が大挙していらっしゃった時間帯だったかと思います。

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ずんだはわかるがゆずティーは狙ってますよね

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国際センター駅は光に溢れた素敵な駅でした。今度ゆっくりお茶しに行こう。

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追い乗車券購入。

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仙台駅前にも何気なく存在する

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からの、藤崎さん。
日曜のみ参戦で朝から仙台入りしたお友達と合流して撮影に並び、グッズ売り場にも並び。
そのときに後ろに並んでいたお嬢さん達に声をかけられ、彼女たちが撮った写真をいただいた。
アメリカと中国からそれぞれ来たというお嬢さん達ありがとう。

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そして瞬く間に北海道。田んぼじゃなくって畑の大地へ帰ってきたぞ。

今回も親交を深めたり、また新しい出会いがあったりの楽しい旅でした。
遠征できる立場だとどうしても遠征民同士での交流が多くなりますが、実際にはいろんな立場のファンの方が多くいるんだよな、海外から熱心に来る方もいれば、地元開催以外は無理という方もいる。そしてどれが正解ということもない。ファン生活の様々な有り様を夫々尊重出来たらいいよなあ、などと考えたりします。私も私なりのファン生活をだらだらと楽しもう。

現地でお会い出来た皆様、お話した皆様、またここを読んでくださっている皆様、今回もありがとうございました!しばらく遠征の予定はないですが(ありがたい地元開催続き)また次回!!

今年の仙台アウェイが4月28日と週末のデーゲームと発表になりこれは行くしか!って諸々手配したのが今年1月の末。

もし連覇したらパレードが運良く被ったりするかも…と夢見ていましたが、その幸運は磐田サポが該当。
札幌サポは1週間ディレイで仙台を訪れる事となりました。

思えば1月の末で、選手の怪我の状況も分からず「連覇したらパレード」とか思いながら行動しているあたり、心配している割に面の皮が厚いなと今にして思いました。

ともあれ。
「金曜日の夕方の空路で仙台に向かう」シチュエーションは10週間前の平昌のときと同じ。
SPの映像などを見ながら謎テンションを上げていましたが、4月にもなると日が長くなっていて季節の移り変わりを感じました。

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そして仙台空港のいつもの展示にお出迎え頂き。

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10週間前の土曜の昼間はここがPVの人で溢れていたんだよなあと感慨深く思いながら。

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着いて呑む

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土曜日、試合に行く前にこちらへ。
本筋の試合の開場時間の都合もあったので、10時の開場に合わせて行ってみたのですが、東京大阪の読売の展示会の喧騒と比べると拍子抜けするほど人が少ない(もちろん展示告知から3日目の朝でそれでも即座に訪れる人達がいるともいう)。ただこれがパレードと同時開催だったら地獄の沙汰だったろうな、とも思いました 笑
6月末の羽生結弦展イン仙台とギリギリ最後が被るから、それに合わせて行く人も多いでしょうね。

写真展会場の窓からリンクで滑っている人達が大勢見える。リンクと写真展の同居具合のバランスが何とも言えず「大切に、しかし程よく放置されている」感があって、なんだかとてもほっとしました。

一枚一枚じっくり見る事が出来ましたが、最初の感想は「会場ごとお持ち帰りしたい」でした。
大きなパネルサイズの写真、ライティングも意識してか映り込みもないから本当に綺麗。
一番欲しい羽生グッズはこの写真パネルかもしれん、名画を部屋に飾る気持ちで買うのにな…と真剣に思いました。この写真、このサイズで欲しい…と思うものがたくさん…。

美しいけれど同時に闘いの軌跡でもありました。
引退してからでいいので、美術館で展示会していただけるとうれしいです。高倉健展のようなやつ…

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観覧料を払ってアイリンの中も見学。リンクのひんやりとしたいい匂い。
今度はここで滑ってみたいものだ。
しかしいきなり滑って怪我するのもアレなので、まずは地元で滑ってみるか。
小学生以来、果たしてどうなるか。

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で、本筋。アイリンから徒歩15分くらいでユアスタ到着。慣れれば近い。
次はたぶんグーグルマップ先生なしで歩けるだろう。

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震災の募金を、せっかくここに来ているのだからと協力しようとよく見ると

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こんな張り紙が目立たなく存在することに気づきました。
目立たないけどそこにある という。ここにも「仰々しく扱わないけどでも大事」感。

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試合は土壇場で引き分けに持ち込まれて終わり。
勝って帰りたかったですがやむなし。

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仙台で串鳥

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泊まりは福島だったので記念にこんな一枚も

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翌日はこちらへ。
当初はこちらの写真展のみの予定でしたが、アイリン写真展も加わって結果豪勢な旅のオプションとなりました。
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こちらは人のいないタイミングを見計らって撮るのがなかなか難しいぐらいの出入り。
地元の方々が多いのでしょう、先週のパレードの時は…という声が幾つか聞こえてきてました。
記念撮影している人も多かったな。みなさんうれしげです。

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アーケード街の横幕もパレード時のまま

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2ヶ月先の展示会の告知が私を誘う(行けない)

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パレードから168時間後の通り
心眼ではにゅうくんの姿を見ました(見えない)
この日も同じようなお天気で、街角の爽やかな東北らしい緑色。

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仙台駅の観光案内にも金メダルがついていました。

地元はいいですね。
メディアで大量に報道されているのとは裏腹に、もちろん色々なお祝いの言葉が上記の通りありましたけど、浮ついた感じがしなくって。選手が街を大切にしているように、街も選手を大切にしているような、そんな感じがしました。ファンとしても程よくとても居心地がいいです。アウェイサポとしてはどんなもてなしよりも勝ち点をくれる街が好きですけどなんて言ってはいけません。

また行くぞ仙台。来年もどうか週末の行きやすい時間帯でよろしく…(その前にお互い残留で…)

平昌五輪の観戦をさてどうするか、と去年の夏から考えていた。
現地に行くことが出来ればよいけれど仕事的にそれは大幅に無理な話だったので。

普段と同じように家のテレビで見るのも味気ない気がして、PVか…いや PVを見るならいっそ仙台で見ればいいのではないか。ことと次第によっては地元の号外を手に入れられるかもしれないし、河北新報を買うこともできるし、ローカルの番組を見ることもできるだろう。行くしかなくない?

…という話を仙台住みではない羽生友達にしたら乗ってきたので、仙台で合流してその日を迎えようということになった。

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空港のテレビはどのテレビも全部男子SPを放送してた

雪大丈夫ね!飛行機大丈夫ね!空港までの交通機関大丈夫ね!!と確認する作業を外せない、道民にとってはリスク高い冬の旅。
金曜日の仕事は午後休を取ってSPを見届けてから仙台へ飛ぶ。

空港に着いてのち駅に移動する際に、どこかの高校のバスケ部の少年たちが見よう見真似の陸上アクセルジャンプを跳んでいたのを見た。さすが仙台、とそこで既に満足しそうになった。

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合流した友人とSP1位祝い酒、戦勝正宗という有難い名称の日本酒をいただく。
泣いても笑っても明日のFSで4年間目指してきたものの答えが出る。


よく寝たような寝ていないような夜。
昨年11月のNHK杯前日の夜を思い出す。
見るからに重篤そうな転倒をして、翌日の試合に出るか出ないか分からないまま過ぎる夜。
明日出られないだけならまだよかった、NHK杯に出られないということはGPFにも出られないということ。
五輪イヤーに2試合失うこと。更に怪我の状態によっては。
どうなっちゃうんだろう。

夜の闇ってこんなに重いもんだったけ…と感じた日。
あのときよりは大丈夫、と自分で自分を説得する。
怪我をしても五輪の舞台に出ることが出来た。ここまで来ることができた。SP1位を取ることもできた。あとはもう、なるようにしかならない。
その結果を受け止めて喜ぶか慰めるかするだけ。腹は決まってる。



土曜日は市内で幾つかのPVが予定されていたけど、今回はNHK仙台の8Kを選択。
放送開始の1時間前に着いたら、自分達と同じような感じの(妙齢の)女性達を中心に既に20人ぐらいが集まっている。

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最終的には局のロビーに設置された椅子は満席で(席取りで揉める人が現れたほど)、それを取り囲むように二重三重の黒山の人だかり。力道山が中継されていた時代はこんな感じだったのだろうか、とPVのときいつも思う。時代が変わって各家庭にテレビが揃っても、わざわざ外に見に行ってしまう人達が少なからずいるのは、ただ見るだけではない楽しみがそこにあってそれを求める、ということなんだろうか。

最終グループの段になって、いよいよ羽生君の登場。
こうなると局内は普通の試合会場と変わらないようになって、一際大きな拍手が上がり、声援も上がる。ひとつのジャンプの成功に歓声が上がる。

同じフロアの背後にもうひとつ地上波を放送しているモニターがあって、8K映像のほうは地上波よりコンマ数秒のディレイがあるため、地上波モニターを見ている方の人達から一瞬早く歓声があがることでジャンプの成否が分かってしまう面白現象が起きたけれど、殆どの人達はそれに気づいていないようだった(最終的には金メダル確定の歓喜時差で場内がそのことを理解する結果になった 笑)。

最後の3Lz。
体制が崩れて転倒しそうになった時、それを堪えたのはもちろん選手本人の筋力だし気力に違いないのだけど、試合会場に集まっている人達や、PVを見ている人達や、家のテレビで見ている人達、見ることすら出来なかった人達、あらゆる種類の「彼を応援している人達の思い」が姿のない小人のように集まって支えてるような気がした。


演技が終わったら、頑張った!頑張ったね!って、それしか言えなくなってしまった。
試合会場と変わらないぐらい大きな声でそう叫んでも、まったく響かないほど周囲も興奮していた。

画面の下の方に得点が出るので、PV会場では後方だと見えにくいのでアナウンスを聞こうとした。けど、"Two hund.."の後は何も聞こえなくなってしまった。2015NHK杯のときと同じだ。PV会場に集まった人達の歓声でかき消された得点は206.17。順位はもちろん1位。それでメダル確定だった。あとは色だけ。


色に関わらないメダル獲得、本当はそれだけで凄いことだったはずだ。
怪我をして4ヶ月実戦から離れている。仮に怪我が治っていたとしても、練習量はまったく足りないはず。惨敗だってあり得ない事じゃなかった。

「羽生ならそれでも勝てる」
「羽生でもこれなら勝てない」

だけど私は心のどこかで彼を全面的に信じていたんだろう。
信じられない事が起こったなんて全然思わなかったのだから。
こんなこともこの選手ならあり得る話だ、って。
ハビちゃんとしょーま君の演技が終わって、スコアが(地上波の方の画面に)映って背中側から歓声があがる、「えっ!?それはまさか」からの熱狂的な歓声の伝播。万雷の拍手。



試合が終わって、難しいと思っていたけど、同時に強く期待してもいた物語が期待していた通りに終わった達成感。彼が報われてよかった。本当によかった。
そういう思いの方がずっと強かった。

けれどもその後に明らかになっていったインタビューを聞いているうちに、あのNHK杯の前の日の重い夜を、自分が感じていた重さのたぶん何百倍何千倍の重さを、彼は4ヶ月背負っていたのかと改めて気付かされ、その壮絶さの前に気持ちが立ちすくんだ。20年前の長野五輪の原田さんを再び見る思いがした。

彼等が生身の人間であることを忘れてしまう自分の残酷さを思い知る。
期待と信頼はどこまで支えでどこからが重荷なんだろう。
期待もされなくて進める距離は知れている。けれど重荷を背負って進める距離もまた同じ。
どういうバランスが一番ベストなんだろう。

人間としての選手達を追う時に、この小さな痛みを伴う問いを抱える覚悟をして(それは翌日の記者会見での言葉を受けてより強く思う)、それでもやっぱりかける言葉はおめでとうとありがとう、それしかなくて。


結果を知っても放送が終わるまで席を立たない人達が大勢いた。
駅に移動すると、そこでのPVは既に終わっていて違う競技を放送していた。けど、駅売店の方たちが「明日新聞どれ買おう!」と弾んだ声で話し合っているのが聞こえた。
号外は時既に遅かったようだけど、間に合っていてもたぶん参戦は出来なかっただろうな、とニュース映像を見て諦念。


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夜はテレビ付きのお店で祝勝会。
8Kは撮影不可だったのでここでは全力で画面撮り祭り。

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翌朝ホテルのロビーに並んだ新聞は一面が全部これ


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そして新しくなったこちらを訪問。
前回訪れた時は一般営業ではなかったので中には入れず、今回初めてあのリンクを眺める。
子どもも大人も、大勢の人達が滑っていた。リンクから響く歓声。
その中にはきっと昨日の演技に感化されて滑りに来たような人もいただろうし、これから新しく始める子ども達も出てくるだろう、ソルトレイクシティでプルを見た少年の日の羽生くんのように。
そしてその子達が大人になるころ、また日本を沸かせる日がきっと来るんだろうな。
羽生くんが感じた痛みと喜びを全て糧にして後進を育てていけたら素敵だろうね。
先のことはまだ何もわからないけど。


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もうすぐ7年を迎える海。
仙台の街は一見もうすっかり綺麗だけど、よく見ると不自然な空き地は未だそこかしこにある。
地元紙も震災関連の記事が日常の話題として掲載されている。
傷は傷としてずっとそのままそこにある。痛くなくなったわけじゃない。
傷跡を抱えながら、古い傷みをやり過ごしながら、痛みを忘れるような瞬間を共有できる幸福。
それは彼(等)も私(達)も同じことなのだと、思いたい。


ソチからの4年間の物語はここで一旦完結。
ここから先はスピンオフなのかもしれないし、第3部が始まるのかもしれない。
ただこの4年間を戦い抜いてきた、そして勝ち得た身体もこころも少し休ませてあげてほしいな、という個人的な思い。喜ぶ人達の顔を見るのも栄養になるんだろうとは、同時に思うけど 笑

ただ、少しくらい姿が見えなくてもいい。こっちはこっちで頑張るから、スポーツをやること、見ること、支えることを今日より少しでもいいものにしていけたらいいなって思うから。

選手が自分の人生を頑張ってきたように、自分も自分の人生を頑張りたいなと。
そういう思いを与えてくれてありがとう。本当に。




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v Sendai #1
行って帰ってきました仙台へ。
実のところ遠征へ行くのが09年の天皇杯以来でございまして、
3年ぶりの遠征は負けてもやはり楽しかったです。
フェリーの旅だから色々と濃厚だし(笑)

リーグ戦再開だから弾みをつけたかったけど、
全然まったくそうはならず、凹んでます…
と、いうふうにはまったくなっておりません。
負けて凹んでいる時間があったら
強くなるためどうしたらいいいか考えるよ。
愚痴の悪口の言っても何も変わらない。
他人のやることなんかどうしようもできないけど
自分のやることは自分の意志ひとつで変えられるんだから。


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pray for Sendai
acの広告に洗脳されそうです。こんばんわ。
昨日思いついて今朝こんなのを作ってみました↑
アウェイに行って写真撮ったことのある方は、
鹿島や水戸、仙台等今回の地震で被災をうけたと思しきスタジアムの写真を
激励に使ってみてはいかがでしょう。
早くもとのように元気になって戻ってこい、そして堂々と罵らせろ!みたいな(笑)
喧嘩出来ないのもさみしいです。
サッカーは相手があってはじめて成立するもの、
そんなあたりまえのことを心から噛み締めています…
 
私のこれも、リンクどフリーつーかそもそも画像DL出来るようにしてますんで、
お知り合いに仙台サポの方がいらっしゃいましたら
もし何かの役に立つようなことがあればもうご自由にご利用下さいな感じで。

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