F-L-H

Football Lover's Heart. コンサドーレ+時々冬スポーツ+まれに日記。背景画像は窓についた霜。

タグ:快勝

試合前日の土曜日、野暮用があって東西線沿線方面に早々に出かけ、そしてその用事が早々に済んでしまったのでさてどうしよう。宮の沢に行くしかないわね。

ごきげんなお天気の中、練習が始まる予定の時間よりも早く着いたけどもうそれなりのギャラリーが集まっていた。という以上に、USが横断幕を貼っていた。

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見ている間にどんどん幕の枚数は増えていって、最終的にスタンドの端まで、大小あわせて20枚くらいの幕が並んだ。
いまがコロナ規制の真っ最中だったらこういう応援の形を取ることも出来なかっただろう。
9月にしては強すぎる日差しのなか、それなりの距離を何度も往来して幕を準備している様子を見ていると、好きなこと書いてるだけの人間(わたし)は何やかや楽だよな…って思い知らされる。

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2007年の11月にも、こうして横断幕を掲げていた。
このときはJ1昇格をかけて。

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横断幕を背景に練習する選手達という絵面、それだけで胸一杯。
ダンマクに書いている文字をしっかり読んでいるなと思われる目線の選手もいた。
次の用事があったのでお昼で宮の沢をあとにしたけど、練習後に荒野くんが観客に挨拶をした動画が回ってきた。「これ明日絶対勝つやつ」って思った。これで勝てなかったら普通に実力が足りないだけ。

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試合の前にはOB戦。こちらも嫌でも老サポの郷愁を誘う。
ゴッツ、もう58歳だなんて還暦間近じゃないの…でも見た目全然変わらない…田畑さんと河合さんの最終ラインは今見てもやっぱり全権を任せたくなる背中だわ…芳賀さん大人げないわ…知ってた…遠国くんマジでお大事に…

観戦を重ねると自分だけの思い出データベースが頭の中に構築されてきて、それらと今とを重ね合わせながら見るという楽しみが出来るのでみんな長く見るとよい。勝った負けたに一喜一憂するのもいいけど、勝った負けた以上のものを感じることがあるから。そしてそれは中々にかけがえのないものだから。

前日の他の降格争い戦線の結果を受けて、この日勝つと相当大きいというのはわかっていたし、何より磐田とは2008年、当時残留への望みを完全に断ち切られたといってよい試合をした記憶がある。あの時と逆のことをしなきゃいけない。絶対やる。

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という試合前の思い込みの通りの試合になった。
5-0ではなく4-0だったけど、VARのない時代だったら駿汰様のあれは得点だっただろう。

前回の声出しよりも大分声が出せるようになってきたし、周囲の知らないお客さん達とも何度もグータッチで盛り上がって、久々の友人との再会で飛びつかれたりと、制限のある中でも以前の楽しさが戻ってきていて、残留争いの中で重要な試合を取れて、福森の久々のFK、「昨日がリーグ戦初得点だって今日まで気づかなかった」シャビエルの得点、2-0でも全然安心出来ない90分に高嶺、そして小柏。満足以外にない。

と、思っていたのに。
脳内思い出データベースは「わずかとも言えないほどの希望をかけて挑んだアウェイゲームで木端微塵」「その時のサポーターの気持ち」を呼び起こしてきた。
絶対に勝ちたいと思ったのは磐田にではなくて、同じような場面で、なにもできないチームを応援するしか出来なかった過去の札幌自身だったのか。
「14年経ったらこの磐田みたいにJ1で勝つことが出来るようになるんですね、よかった」
ようやく成仏出来たのか、あのときの私達。

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美しい夕空がなぜか沁みた
快勝なのに過去の傷が亡霊となって掘り起こされるという展開にはまったく戸惑った。
でもそういう感情を抱かせてくれるほどには力強く戦っていた札幌の選手達には改めて感謝。

脳内データベースはこの先も時折亡霊を呼び出してくることがあると思うけど(何しろひどい記憶が豊富なので)、しかしそれをひとつずつ成仏…いや供養…潰していくことでちょっとずつでも強いチームになっていくんだってこの日は思った。
敗北の記憶が足をひっぱるのと同じぐらい、勝利の記憶も自分達を上げていくよね。宮の沢に掲げられた横断幕のように。

(と思ったけど宮の沢の幕のあとの試合負けてることに気づいた!記憶の捏造!いや昇格出来たからいいよね!)(思い出データベースかなり雑だな!!)

リーグ戦のこり6試合。ここから転げ落ちたらそれこそ新たな巨大な亡霊を生みかねないのでしっかり頑張っていきましょう。上位陣との対戦が多いけど!そこを!なんとか!!

3月9日(土)第3節 札幌5-2清水

待ちかねたぞホーム開幕戦!だけど仕事だ!
…うまいこと昼から早退しドームへそっと向かおうとそっと退出しようとしたら「開幕戦か!!」と次々声をかけられる。まあまあありがたいことです。
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今年の冬は札幌市内では雪が少なく、ドーム除雪作業もなく、気候的には穏やかなシーズンの入り。
30分前到着ではホーム側に席を望むべくもなく、今年もアウェイ側ゴール裏で観戦。去年も同じカードで同じ場所から見ていた。結果だけが去年と同じでなければいいなという期待。

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開幕戦をアウェイ側で見る楽しみは人文字を傍観出来る事。今年のやつは可読性に欠ける事になってしまいましたが、心の目でだいたい読めたからよし。それはそれとて綺麗でしたし。

ぼっち観戦モードの時は周囲のお客さんウォッチングを兼ねる。この日はお隣は推定60オーバーの単独参加と思しきご婦人。結果こちらのご婦人と5回ハイタッチすることになった。お互い「すごいですね!」と語彙喪失してキャッキャウフフ出来て楽しかった。

反対隣はシニアご夫婦。若干ミスに手厳しいかった。が、「なんだよそれー」と怒るポイントは「ですよねすみません」と謝りたくなる正当なポイントではあった。深井さんがやらかした場面とか。

一方で斜め前に私と選手を褒める拍手ポイントがまるで同じのお兄さんがおらして、「すみません是非一度呑みたいのですが」という感情を抱いた。新手のナンパになる可能性。


…試合の方は前半の序盤は掴みきれなくて浦和戦とは違って少し苦戦しそうかな、と思っているうちに先制点を挙げると、試合をしながら時間の中で部署部署アジャストしているのが目に見えてきて、次々誰かしら前に出てきてゴールを脅かす様を見ていると、「対戦相手としてこんなチームと試合するの嫌だろうな」となぜか反対側の気持ちになってしまった。やられた頃の記憶がいい意味で自軍を見て蘇るなんて…!!

基本的に厄介な武蔵、何をするか分かっていても止められないチャナ、何をするか分からない(色んな意味で)アンロペを総潰ししても後ろから荒野深井が顔を出してくる、最後尾は全然そうは見えないんだけど実質帝王の宮澤が先取り支配する…
わー…

アンロペの落下を経て4点目、5点目が入った時にはドームが熱狂に包まれるというよりは、ものすごくザワザワとしていた。
「こんな子知らない」
「誰このチーム」
という心の声が漏れ聞こえてくるようであった。

長期キャンプを経てこの時期はコンディションに厳しいものがあるのだと20数年認識していて、実際昨日も本当は万全ではないのだろうと思うと、ファンながら「ええ…」という感覚になる。



新曲はアウェイ側で聞いていても格好良かった。
口ずさみだす人もいたくらいだよ。
試合中に動画撮れる余裕があるぜ、なんて思ったらこのあとすぐに失点した。

清水の応援は途中までとても大きな声で頑張っていたのだけど、4失点目以降はボリューム半減以下の勢いだった。
清水アウェイで4点5点取られた時代を思い出す。10数年経って立場逆転。いつかこの立場もさらに逆転する日が来るかもしれないけど、そんなことの繰り返しがこの国のサッカーの歴史を作っていくんだろう。いい波の時は心からおだつ(※方言:ナチュラルハイの意)。悪い波の時は粛々と心を耕す。

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試合後はCVS仲間と祝杯。
この頃は適度に呑む感じを楽しんでいるので一杯飲みセットなんかが幸せ。いや一杯では済んでないですけど。
ルトロワの蕎麦屋さんをお勧めして今回の雑記〆。

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3月2日(土) 第2節 浦和0-2札幌

この試合の前日に、(長年住み慣れた)アパートを退去してねという不穏なお知らせが届いて、20有余年ぶりの引っ越し準備は突然に という事態に見舞われて試合どころではなくなっていた。

周辺のアパートは近年スクラップアンドビルドが進んでいて、いつかはここもその対象になって、その時は他所に行かなければいかなくなるんだろうな、老人になってからの引っ越しはつらいな、となるとさて老後計画はどうする?などと暇なときに考えていたりはしたものの、思ったよりも圧倒的に早くその時は訪れてしまった。そしてこんな時は「突然に」しか訪れようがないと体感する。

不動産屋さんに連絡して話を伺って、借りてる側の立場よわっ!という現実に打ちひしがれつつ、ざっくり予定を決めたらとっとと退去の準備に取り掛かるほどには攻守の切り替えが早い。

ゴミ袋などを買い込み、その途中に新札幌で行われていたPVの会場を通り過ぎる。ここでのPVを見て勝った記憶がないので、「見ていないほうが勝つのでは」というサポーターあるあるの判断で長居はしない心算でチラ見。

会場は1階のフロアはもとより、2階3階からも戦況を見守るファンの姿に溢れていた。チームの歴史の長い年月に浮き沈みはあれども、浮いている時期の光景は昔も今も変わらない。変わらずに24シーズン続いてきていることが有難いなと思った。

「何やってるの?」「コンサか」「最近強いよね」「4位だったんだっけ」
そんな会話をする人達が通りすがっていった。浮いている時期は見知らぬ人々の会話も心地よい。

試合の行方を、その後ご飯を食べながら追う。
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この出来栄えで680円税別なのは道民である喜び。新札幌の小松水産さんですよ。

果たして浦和に敵地で零封の完勝。
やられると泣くやつだがやると死ぬほどうれしいやつ。ミシャが死んでもいいと思える試合だったのはよいことだが、そうは言わずお互い長生きしようじゃないか。

攻守の切り替えを自分の人生にも!と思い不用品をざくざく整理したら、切り替えが早すぎて今からゴミ袋に囲まれて暮らす勢いなので加減しようと思った。まだ時間はある。

※noteの投稿のほう

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